季節限定商品に抹茶が使われる理由
抹茶は季節を問わず作れる素材ですが、限定商品として登場することが多くなります。
春との結びつき
新芽が摘まれるのは春です。碾茶に使われるのは主に一番茶で、4月から5月にかけて摘採されます。
宇治ではこの時期、覆下栽培の覆いによって茶樹の姿が見えなくなります。「新茶」という言葉が季節感を持つのは、この周期によります。
夏の飲み物としての歴史
加糖グリーンティーは、冷たい飲み物として広まりました。
昭和30〜40年代、家庭用冷蔵庫の普及とともに定着します。京都や大阪の甘味処や茶舗が夏の定番として扱ってきた経緯があり、夏との結びつきが残っています。
かき氷やアイスとの組み合わせも、この文脈にあります。
色が季節を表現する
緑色は、春から初夏の印象と結びつきます。
限定商品では、見た目で季節を伝える必要があります。抹茶は風味と色の両方を同時に持つため、この用途に向きます。
秋冬にも使える
一方、温かい抹茶ラテは冬のメニューとして成立します。
温かいほうが甘みを強く感じるため、粉は少なめでも満足感が出ます。同じ素材で、季節ごとに違う見せ方ができます。
さつまいもや栗といった秋の素材と組み合わせる形もあります。
限定にする理由
原料の制約 抹茶は簡単に増産できません。茶の木は一年では育たず、覆下栽培には手間がかかります。通年で大量に使うより、期間を区切るほうが確保しやすくなります。
話題の作りやすさ 期間が限られることで、購入の動機が生まれます。
価格を取りやすい 抹茶は原料として安くありません。限定商品であれば、通常品より高い価格設定に納得を得やすい面があります。
供給の見通し
2025年の緑茶輸出は、額で約721億円(前年比約2倍)、量で12,612トン(約1.4倍)でした。需要が伸びる一方、供給はすぐに増えません。
限定商品として設計する場合も、原料を確保できる見通しを立ててから動くことになります。
※数値は2025年時点の統計に基づくものです。
