多店舗で同じ味を出すための条件
店が増えるほど味は揃わなくなります。抹茶には固有の事情もあります。
原料が農産物である
抹茶は作物を挽いた粉です。収穫年、畑、品種で味が動く。同じ商品名でもロットが違えば風味に差が出ます。品質の問題ではなく、農産物としての性質です。
業務用の製品が複数の原料をブレンドして作られるのは、この差を吸収するためです。
作業を数値で決める
「適量」では揃いません。
粉の量、湯の量、練る時間、注ぐ順番、牛乳の温度。この5つを数字で決めて、計量器具を統一します。判断の余地を減らすほど、店舗間の差は縮まります。
溶かす手順は省略できない
粉に一度で液体を注ぐとダマになる。少量の湯で先に練る工程は、忙しくても飛ばせません。
ここを省くと店舗ごとに仕上がりが変わります。手順書には、なぜ必要かも書いておく。理由が分からない手順は守られません。
保管条件を揃える
粉末は光・熱・湿気に弱く、においも吸います。
厨房のどこに置くか。開封後どう保管するか。ここが店舗で違えば、同じ粉でも味が変わります。開封日を記録して、先入れ先出しを徹底する。運用の話です。
回転しない店舗が出る
出数は店舗ごとに違います。
開封後の目安は2週間から1か月。出ない店が大容量を持てば、後半は風味が落ちたものを提供することになります。発注単位は店舗規模に合わせて変える。全店一律では合いません。
供給が続くか
抹茶はすぐに増産できません。2025年の緑茶輸出は額で前年比約2倍となり、原料需給は動きやすい状況です。
店舗数に見合う量を継続して確保できるか。事前に確認しておく点です。
切り替えは一斉に
原料を変えれば味が変わります。店舗ごとに時期がずれると、同じ看板で違う味を出すことになる。
※数値は2025年時点の統計に基づくものです。
