量産される抹茶製品の制約
大量に作り、広く流通させる製品には、独特の条件がかかります。
流通の条件が幅広い
倉庫、輸送、店頭。温度も湿度も一定ではありません。夏の輸送では特に条件が厳しくなります。
家庭で数週間使う製品と、全国を回って店頭に並ぶ製品では、求められる安定性が違います。
だから補助材が入る
着色料 抹茶の緑はクロロフィルという色素で、光・熱・空気に弱く時間とともにくすみます。流通期間が長い製品では、色を保つために使われることがあります。
香料 香りの成分は揮発します。製造から消費までの間に失われる分を補います。
酸化防止剤 ビタミンC(アスコルビン酸)などが使われます。自らが先に酸化することで、他の成分の変化を遅らせます。
デキストリン 粉をサラサラに保ち、固まるのを防ぎます。でんぷんを分解した食品素材で、食品添加物ではありません。糖質としては計算されます。
いずれも解決したい課題があって入っています。
原価の制約
大量に作る製品ほど、原料費の影響が大きくなります。
抹茶の比率を下げる、緑茶粉末を併用する、糖類の比率を上げる。いずれもコストを下げる方向です。
抹茶と緑茶粉末は別物です。緑茶粉末は覆下栽培を経ていないため、うま味より渋みが立ち、価格は下がります。
味を一定に保つ
抹茶は農産物なので、収穫年や畑によって差が出ます。
複数の原料を組み合わせて味を揃える設計が必要になります。単一の原料に頼ると、年によって商品の印象が変わってしまいます。
表示から読み取れる
原材料表示は使用量の多い順に並ぶ決まりです。
「砂糖、デキストリン、緑茶粉末、抹茶、香料、着色料」という並びなら、抹茶は4番目。量としては少ないことになります。
原材料の数が多いほど、補助材で品質を整える設計だということです。
少量生産との違い
回転が速く、流通の条件が読める製品なら、補助材の必要性は下がります。
原材料が抹茶と砂糖の2つだけ、という構成が成立するのは、こうした条件が揃う場合です。どちらが優れているという話ではなく、想定している流通が違います。
