商品開発で色をどう保つか
抹茶を使う商品では、色が売り場での訴求になります。同時に、もっとも失われやすい要素でもあります。
何が色を奪うか
抹茶の緑はクロロフィルという色素によるものです。光・熱・空気の3つに弱く、分解すると黄色や褐色へ近づきます。
粉末は粒子が細かく表面積が大きいため、葉のままより変化が速く進みます。
原料の段階で決まる部分
色の濃さは、栽培の段階で作られています。
覆下栽培で日光を遮ると、植物は限られた光を効率よく使おうとしてクロロフィルを増やします。覆いをかけて育てた葉が濃い緑になるのはこのためです。
加工でどうにかするより、元の色が濃い原料を使うほうが確実です。
製造工程での配慮
石臼をゆっくり回すのは、摩擦熱で色と香りが損なわれるのを避けるためです。1時間に40g程度しか挽けないのは、この制約によります。
機械粉砕は速い代わりに熱がかかりやすくなります。
加熱する商品の場合
焼き菓子では色が変わります。対処の方向は限られます。
- 抹茶を多めに入れて変化を見込む
- 焼成条件を調整する
- 焼き上がってから後がけする
- 加熱しない部分(クリーム、グレーズ)で緑を出す
寒天を使う商品なら、寒天を先に煮溶かし、火を止めてから抹茶を混ぜると色が残ります。
包装での対策
アルミ蒸着など光を通しにくい素材、脱酸素剤、窒素充填。いずれも有効です。
抹茶が透明な袋で売られていないのは、光を通すと色が落ちるためです。
窓をつけて中身を見せたい場合、面積を最小限にする、外箱で覆うといった折り合いが必要になります。
着色料という選択
流通の条件が幅広い商品では、色を保ちきれないことがあります。ここで着色料が使われます。
ただし着色料を使えば、抹茶の比率が低くても濃い緑にできます。見た目の緑と抹茶の量は一致しなくなるということです。
買う側から見れば、色で品質を判断できなくなります。原材料表示に着色料の記載があるかどうかが、確認点になります。
