パッケージが果たしている2つの役割
見た目を整えることと、中身を守ること。この2つは同時に求められますが、両立しない場面があります。
守る側の要件
抹茶の緑色はクロロフィルという色素によるもので、光・熱・空気に弱く、時間とともに黄色や褐色へ近づきます。香りの成分も揮発します。
粉末は葉のままより表面積が大きいぶん、この変化が速く進みます。
そのため包装には次のような工夫が入ります。
- アルミ蒸着など、光と酸素を通しにくい素材
- 脱酸素剤の同封
- 窒素充填
- 密閉性の高いチャックや二重蓋
抹茶が透明な袋で売られていないのは、光を通すと色が落ちるためです。
見せる側の要件
店頭で選ばれるには、中身が想像できる必要があります。
緑色の粉であることが分かる、産地が読める、量が把握できる。贈答用であれば、渡したときの見栄えも問われます。
両立しない部分
中身を見せたければ窓をつけることになります。ところが窓は光を通します。
見栄えを優先すれば品質保持に不利になり、遮光を優先すれば中身が見えない。ここが設計上の分かれ目です。
実際の解き方
窓を小さくする 必要最小限の面積にとどめ、大部分は遮光素材にする。
外箱で覆う 袋自体は遮光性のある素材にし、外箱の意匠で見せる。店頭では箱を見せ、中身は守られている状態です。
写真で見せる 実物ではなく、印刷された画像で中身を伝える。
個包装という解
スティックタイプは、一回分ずつ密封されています。
使う分以外は空気に触れないため、開封後の劣化がほぼ起きません。外装の意匠は自由に作れます。
そのぶん包装材のコストが乗り、ごみも増えます。
買う側から見ると
窓のある製品を選ぶなら、店頭で光に当たっていた時間は分かりません。
購入後は自分で光を避けることになります。袋のまま箱にしまう、暗い場所に置く。これだけで違いが出ます。
