高価格帯の抹茶は何が違うのか
価格の差には、工程上の理由があります。
うま味の量が違う
農研機構の報告では、価格の高い抹茶ほどテアニン含量が高いとされています。あわせてEGCGとEGCの比にも傾向が見られ、これらが抹茶の品質を支える科学的な指標として使えるとされています。
テアニンは茶のうま味を担うアミノ酸で、茶葉の乾物重量のうち0.5〜3%を占めます。
なぜテアニンが多いのか
テアニンは根で作られ、葉へ運ばれます。ところが葉が日光を浴びると、渋みのカテキンへ変化します。
覆下栽培は、この変化を防ぐ方法です。新芽の時期に覆いをかけ、摘採まで日照を管理します。数週間の作業で、人手も資材も要ります。
つまり「まろやかで甘みがある」という感覚的な評価には、栽培条件という裏づけがあります。
粒度が違う
上質な抹茶の粒子は1〜5ミクロン。一般的な粉末茶は20〜50ミクロン、小麦粉は30〜60ミクロンです。
抹茶は水に溶けず、粒子が液体に散らばった状態で口に入ります。粗ければざらつき、細かければ滑らかになる。粒度がそのまま舌ざわりになります。
石臼は摩擦熱を避けるためゆっくり回すため、1時間に40g程度しか挽けません。
選別の精度
葉脈と茎を取り除く工程があります。硬く、挽いても細かくならないため、残っていると雑味とざらつきの元になります。
丁寧に分けるほど歩留まりが下がります。
品種と摘採期
覆下栽培に向く品種は限られます。碾茶に使われるのは主に一番茶で、冬の間に根が蓄えた養分で育ちます。
用途によっては差が出ない
飲用なら、これらの差は口当たりと風味に直結します。
一方、焼き菓子に混ぜ込む用途では、加熱で香りが飛び色も変わります。高いものを使えばよい結果になるとは限りません。
用途を決めてから選ぶほうが、支払いに見合う結果になります。
加糖タイプでは見えにくい
加糖グリーンティーは糖の甘みが前に出るため、原料の差は分かりにくくなります。
確かめたいなら、粉を多めにして濃く作ると、甘さの奥にある茶の味が見えてきます。
