業務用仕入れでありがちな失敗とその対策
〜粒子の粗さ・甘さ・ロット数など、導入時の注意点〜
飲食店やカフェが業務用グリーンティーを導入する際、初回仕入れで「思っていたものと違った」と感じるケースは意外と多くあります。見た目は同じようでも、粉末の性質や味、容量設定により実際の使い勝手が大きく異なるためです。ここでは、よくある失敗例とその対策について紹介します。
1. 粒子が粗く溶けにくい
失敗例: 業務用として仕入れたものの、粒子が粗く水に溶けづらく、底に沈殿してしまう。
原因:
- ドリンク用ではなく製菓用など異なる用途向けの製品を選んでしまった。
- 攪拌機を使わず手動で溶かしているためダマになる。
対策:
- 用途を明確にしたうえで「ドリンク用」と明記された製品を選ぶ。
- 初回仕入れ前にサンプルを取り寄せてテストする。
- ハンドミキサーやブレンダーの使用も検討。
2. 甘すぎてアレンジに不向き
失敗例: 加糖タイプを選んだが、甘さが強すぎてミルクやアイスに合わず、メニューが限定される。
原因:
- 加糖度が想定以上だった(糖度20%以上など)。
- 無糖や微糖との違いを理解していなかった。
対策:
- 加糖タイプと無糖タイプの違いを理解し、目的に合わせて選定。
- ラテやスイーツ用に使うなら「甘さ控えめタイプ」を選ぶ。
- 店舗独自の甘さ調整を行いたい場合は無糖タイプが無難。
3. ロット数が多く、保管に困る
失敗例: 最小ロットが大きすぎて、在庫を抱えてしまい、鮮度や保管スペースの問題が発生。
原因:
- 安さに惹かれて大容量ロットを選んだ。
- 賞味期限や使用ペースを見積もっていなかった。
対策:
- 初回は1kg×1〜2袋の小ロットでテスト運用する。
- 使用頻度に応じた保管方法(密封容器・低温保管)を確保。
- 消費予定をもとに「週あたり何杯使うか」から逆算してロットを決定。
4. 味の一貫性がない(業者変更時)
失敗例: 仕入先を変えたことで、顧客から「味が変わった」と指摘を受ける。
原因:
- 同じ“グリーンティー”でもメーカーごとに味や香りが大きく異なる。
- 表記されていない細かな仕様差(糖の種類や抹茶比率など)。
対策:
- 複数業者で成分表示や使用原料を比較する。
- ブランド変更時は、テスト提供期間を設けて違和感が出ないか確認。
5. 表示と実物のギャップ
失敗例: 「抹茶入りグリーンティー」と表記されていたが、実際は香料主体で風味が弱い。
原因:
- パッケージや商品名に惑わされて実物確認を怠った。
対策:
- 原材料表記の確認を徹底する(抹茶使用量がわずかでも“抹茶入り”と記載できる)。
- 不安な場合は試供品請求か小分け販売での導入がおすすめ。
まとめ
グリーンティーの業務用仕入れでは、味・溶けやすさ・容量・甘さなど多くの要素を総合的に確認する必要があります。価格や量だけで判断せず、用途に合った仕様を見極めて、必ず事前テストを行うことが失敗を避ける最も確実な方法です。リスクを抑えつつ導入するために、試飲や小ロット仕入れを活用し、現場のニーズに合った製品選定を心がけましょう。
