海外向けに仕入れるとき
輸出を前提にする場合、国内流通とは別の条件が加わります。
残留農薬の基準が国ごとに違う
茶は農産物なので、栽培段階で使われた農薬の残留が問題になります。
各国が独自に基準値を定めており、日本で認められている水準が輸出先では超過とされることがあります。EUのように厳しい基準を持つ地域では、対象となる成分も多くなります。
そのため、輸出向けには専用の栽培管理を行う茶園があります。
抹茶は条件が厳しくなる
浸出して飲む煎茶では、検査対象が淹れた液体になることがあります。葉に残っていても湯に溶け出さなければ口に入らないためです。
抹茶は違います。葉を丸ごと粉にして飲むため、葉そのものの基準が適用されます。
輸出対応の原料を確保できるかどうかが、最初の条件になります。
表示の要件
輸出先の言語での表示、アレルゲン表示、栄養成分表示。国ごとにルールが違います。
日本の表示をそのまま貼って出せるものではありません。
「green tea」と書くと誤解される
英語の green tea は緑茶全般を指し、甘さとは関係ありません。
加糖タイプであれば「sweetened matcha」「matcha with sugar」と明記するほうが正確に伝わります。
産地表示は武器になる
「Uji」「Kyoto」は海外市場でブランドとして機能しています。
日本から米国へ輸出される緑茶は、重量あたりの単価が中国産緑茶の約5倍とされます。この単価上昇を後押しした要因のひとつとして、産地ブランドの浸透が挙げられています。
書ける情報であれば、書いたほうが評価されます。
市場の状況
2025年の緑茶輸出は、額で約721億円(前年比約2倍)、量で12,612トン(約1.4倍)。6年連続で過去最高を更新しました。
輸出先の数量トップはアメリカで、全体の約3割を占めます。欧米・ASEAN向けで、ラテやスイーツなど食品原料としての需要拡大が牽引しています。
供給が追いつかない
需要が伸びる一方、原料はすぐに増やせません。
茶の木は一年では育たず、覆下栽培には手間がかかり、石臼は1時間に40g程度しか挽けない。輸出対応の原料となれば、さらに限られます。
継続的に確保できる見通しを立ててから動くことになります。
※数値は2025年時点の統計に基づくものです。
