飲用・製菓・業務用で求められる抹茶は違う
同じ抹茶でも、用途によって求められる性質が違います。上等なものを何にでも使えばよい、という話ではありません。
飲用(そのまま点てる)
粒度と香りが重視されます。
上質な抹茶の粒子は1〜5ミクロン。一般的な粉末茶が20〜50ミクロン、小麦粉が30〜60ミクロンなので、一桁細かいことになります。
抹茶は水に溶けず、粒子が液体に散らばった状態で口に入ります。粗ければざらつき、細かければ滑らかになる。粒度がそのまま舌ざわりになります。
うま味も重要です。農研機構の報告では、価格の高い抹茶ほどテアニン含量が高いとされています。
製菓・製パン用
求められるものが変わります。
耐熱性 — 加熱で色が変わりにくいこと。抹茶の緑はクロロフィルという色素で、熱に弱い性質があります。 発色 — 生地に混ぜたときに緑が出ること コスト — 使用量が多くなるため、単価の影響が大きい
飲用の上級品を焼き菓子に使うと、加熱で色が変わり香りも飛びます。高いものを使えばよい結果になるとは限りません。
逆に製菓用をそのまま飲むと、苦く感じることがあります。
業務用(飲料店向け)
溶けやすさと味の安定が優先されます。
営業中に手早く混ざること。日によって味が変わらないこと。抹茶は農産物なので収穫年や畑で差が出ますが、複数の原料を組み合わせて一定に保つ設計が求められます。
加糖グリーンティー用
抹茶に糖類を合わせる前提なので、単体での完成度より配合後の味が基準になります。
糖の甘みが渋みの感じ方を抑えるため、抹茶単体では強めに感じる原料でも成立することがあります。
選ぶ順序
「良い抹茶」を探すのではなく、用途を決めてから選ぶほうが結果は合います。
飲用なのか、混ぜ込むのか、加糖して使うのか。それによって見るべき指標が変わります。
