日本産と海外産の抹茶は何が違うか
抹茶は日本以外でも作られるようになりました。ただし「抹茶」の定義が国際的に統一されているわけではありません。
呼び名の問題
matcha として売られているものには、次のようなものが混在します。
- 覆下栽培を経た碾茶を石臼で挽いたもの
- 覆下栽培をしていない茶葉を粉砕したもの
- 緑茶粉末に香料や着色料を加えたもの
いずれも matcha と表示することが可能な地域があります。
覆下栽培の有無が大きい
抹茶らしさの根幹は、日光を遮って育てることにあります。
うま味成分のテアニンは、葉が日光を浴びると渋みのカテキンに変化します。覆いをかけることでこの変化を抑え、うま味の多い葉になります。
この工程がなければ、色は淡く、渋みが立ち、うま味は乏しくなります。同じ緑の粉でも、味の方向がまったく違います。
品種の問題
碾茶に向く品種は限られます。
全国でもっとも広く栽培されている「やぶきた」でさえ、葉が黄色みを帯びるため碾茶にはあまり向きません。宇治品種のさみどり、あさひ、ごこうなどが使われるのは、覆いをかけたときの染まりがよいためです。
適した品種を植え、育てるには年数がかかります。
挽き方の問題
石臼で挽く工程は速くできません。摩擦熱が出ると香りが飛び、色も変わるためです。1時間に挽ける量は40g程度とされています。
機械粉砕なら速く大量に処理できますが、粒度は石臼ほど細かくなりにくい。上質な抹茶の粒子が1〜5ミクロンなのに対し、一般的な粉末茶は20〜50ミクロンとされます。
価格差として現れる
日本から米国へ輸出される緑茶は、重量あたりの単価が中国産緑茶の約5倍とされます。
この差は、上記の工程の積み重ねによるものです。
見分ける手がかり
産地の記載、原材料表示、価格。この3つが手がかりになります。
「抹茶」と書かれているか「緑茶粉末」と書かれているかは、原材料表示で確認できます。香料や着色料の記載があるかどうかも同時に分かります。
色の濃さや香りの強さは、着色料や香料でも作れるため、判断材料としては当てになりません。
