日本茶の輸出はどれだけ伸びているか
海外での抹茶の広がりは、輸出統計にはっきり表れています。
2025年の実績
財務省の貿易統計をもとに農林水産省がまとめた数字では、2025年の緑茶輸出は次のようになっています。
| 項目 | 2025年 | 前年比 |
|---|---|---|
| 輸出額 | 約721億円 | 約2倍(+98.2%) |
| 輸出量 | 12,612トン | 約1.4倍 |
6年連続で過去最高を更新しました。
額の伸びが量を上回っている
注目したいのは、金額の伸び(約2倍)が数量の伸び(約1.4倍)を上回っている点です。
つまり、同じ重さでもより高く売れるようになったということです。安いものを大量に出しているのではなく、単価が上がっています。
何が牽引しているか
農林水産省の分析では、欧米やASEAN向けを中心に、抹茶を含む粉末茶の需要拡大が伸長を牽引したとされています。
ラテやスイーツなど、食品原料としての用途が広がったことが大きい。飲用だけでなく、菓子やアイスクリームの材料として使われる量が増えています。
輸出先の内訳
数量でトップはアメリカで、全体の約3割を占めます。
米国向けについては、重量あたりの単価が中国産緑茶の約5倍とされます。高価格帯の市場での評価が定着していることを示す数字です。
「Uji/Kyoto」という記号
単価の上昇を後押ししている要因のひとつとして、「Uji/Kyoto(宇治/京都)」というブランドの浸透が挙げられています。
産地の名前が、そのまま品質の指標として通用するようになったということです。ワインの産地表示に近い機能を果たしています。
背景にあるもの
宇治は、明恵上人が茶の栽培に適した土地として選んで以来の産地です。覆下栽培の技術も、碾茶に向く品種も、この土地で育ってきました。
海外で評価されている「日本の抹茶」の中身は、こうした栽培と製法の積み重ねです。石臼で挽く工程は1時間に40g程度しか進まず、量産が効きません。
希少性と品質が同時に評価された結果が、いまの数字に表れています。
※数値は2025年時点の統計に基づくものです。
