抹茶の供給が追いついていない
海外での需要が急に伸びた結果、原料の供給が課題になっています。
需要の伸び方
2025年の緑茶輸出額は約721億円で、前年比約2倍。輸出量は12,612トンで約1.4倍でした。
金額の伸びが数量を上回っているということは、単価が上がっているということです。需要に対して供給が追いついていない状況が、価格に反映されています。
増やすのに時間がかかる
抹茶の原料である碾茶は、簡単には増やせません。
茶の木は一年では育たない 新しく植えてから収穫できるまでには年数がかかります。需要が伸びたからといって、すぐに生産量を増やせるものではありません。
覆下栽培の手間 新芽の時期に茶園へ覆いをかけ、摘採まで日照を管理します。数週間にわたる作業で、人手も資材も要ります。
一番茶が中心 碾茶に使われるのは主に一番茶です。年に何度も収穫できるわけではありません。
挽く工程が遅い 石臼は摩擦熱を避けるためゆっくり回します。1時間に挽ける量は40g程度とされています。設備を増やすにも限度があります。
品種の制約
碾茶に向く品種は限られます。
全国でもっとも広く栽培されている「やぶきた」は、葉が黄色みを帯びて覆いをかけたときの染まりが良くないため、碾茶にはあまり向きません。
宇治品種のさみどり、あさひ、ごこうなどは覆下栽培に適していますが、栽培面積をすぐに広げられるものではありません。
価格への影響
供給が限られたまま需要が増えれば、価格は上がります。
抹茶を原料に使う菓子メーカーや飲食店にとっては、仕入れ価格の上昇として現れます。
消費者側から見ると
「抹茶」と名のつく製品が増える一方で、中身の幅も広がりやすくなります。
覆下栽培を経ていない粉末緑茶を使ったもの、香料や着色料で補ったものも、市場には出てきます。
原材料表示を見る意味が、以前より大きくなっているとも言えます。「抹茶」と「緑茶粉末」は別物で、表示は使用量の多い順に並ぶ決まりです。
※数値は2025年時点の統計に基づくものです。
