輸出するときに必要になる基準
茶を海外へ出す場合、日本国内で流通させるのとは別の基準に合わせる必要があります。
残留農薬の基準が国ごとに違う
茶は農産物なので、栽培段階で使われた農薬の残留が問題になります。
各国が独自に基準値を定めており、日本で認められている水準が、輸出先では超過とされることがあります。EUのように厳しい基準を持つ地域では、対象となる成分の種類も多くなります。
そのため、輸出向けには専用の栽培管理を行う茶園があります。使う農薬を輸出先の基準に合わせて選ぶ、あるいは使用しないという方法です。
抹茶は特に条件が厳しい
浸出して飲む煎茶の場合、検査の対象は淹れた液体になることがあります。葉に残っていても、湯に溶け出さなければ口に入らないためです。
抹茶は違います。葉を丸ごと粉にして飲むため、葉に含まれるものはそのまま摂取されます。
この違いから、抹茶には葉そのものの基準が適用されることになり、条件は厳しくなります。
施設の衛生管理
日本では原則としてすべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理が求められており、2021年6月から完全に施行されました。
輸出先によっては、さらに追加の認証や登録が必要になる場合があります。
表示の要件
輸出先の言語での表示、アレルゲン表示、栄養成分表示。それぞれ国ごとにルールが違います。
日本の表示をそのまま貼って出せるものではありません。
加糖タイプの場合
糖類が加わると、栄養成分表示の内容が変わります。使用している甘味料の種類によっては、追加の表示義務が生じることもあります。
アスパルテームを使用している場合、日本国内では「L-フェニルアラニン化合物を含む」旨の表示が義務づけられています。輸出先でも同様の要件があることが一般的です。
供給側の制約と重なる
こうした条件を満たせる茶園や工場は限られます。
抹茶の原料である碾茶は、覆下栽培に手間がかかり、茶の木を植えてから収穫までにも年数を要します。需要が伸びても供給がすぐには増えない背景には、栽培そのものの制約に加えて、こうした基準への対応も関わっています。
