「グリーンティー」という呼び名はどこから来たのか
英語の green tea は、緑茶全般を指す言葉です。発酵させずに作る茶の総称で、煎茶も玉露も番茶も含まれます。
日本で甘い粉末飲料がこの名で呼ばれるようになったのは、昭和に入ってからのことです。
舶来の響きが求められた時代
昭和30〜40年代、冷蔵庫の普及とともに冷たい飲み物の需要が伸びました。この時期に、甘い抹茶飲料が広まります。
「加糖抹茶」や「甘味抹茶」ではなく「グリーンティー」と呼ばれたことには、当時の空気があります。カタカナの名前は新しさと洒落た印象を与えました。喫茶店の飲み物として売るには、そのほうが向いていたわけです。
結果として起きた混乱
日本国内で「グリーンティー」が甘い粉末飲料を指すようになった一方、英語圏では引き続き緑茶全般を意味します。
そのため、こんなずれが起きます。
- 海外の人に「グリーンティーが好き」と言われて甘い粉末を出すと、話が食い違う
- 日本のスーパーで「グリーンティー」を買った海外の人が、甘さに驚く
- 「緑茶なのに砂糖入り」という組み合わせが理解されにくい
「MATCHA」は通じるようになった
近年、抹茶は海外でも matcha として定着しました。緑色の粉末を溶かして飲むもの、という認識が広がっています。
ただし海外の matcha ラテには砂糖が入っていることが多く、無糖の抹茶とは別の飲み物になっている場合もあります。言葉が輸出されると、指すものは変わっていきます。
商品名としての「グリーンティー」
法律上の定義はありません。中身の幅は広く、抹茶が主体のものから糖類が大半のものまで、同じ名前で流通しています。
名前は中身を保証しません。確認するなら原材料表示を見ることになります。
呼び分けの実際
現在は「加糖抹茶」「抹茶ミルク」「宇治グリーンティー」など、より具体的な名前を付ける製品も増えています。
言葉が指すものがぶれてきたぶん、説明を足す方向に動いているということかもしれません。
