日本茶の飲まれ方はどう変わってきたか
急須で淹れる習慣は、少しずつ形を変えてきました。
茶葉から淹れる時代
かつては、茶葉を買って急須で淹れるのが当たり前でした。
来客には茶を出し、食事のあとにも茶を飲む。茶筒があり、急須があり、湯呑みがある。台所の道具として組み込まれていました。
ティーバッグの登場
湯呑みやカップに直接入れられる形は、手間を大きく減らしました。
急須を洗う必要がなく、茶殻の始末も簡単です。一人分だけ淹れたい場面にも合います。
ペットボトルの普及
1990年代以降、ペットボトル入りのお茶が広まります。
淹れる必要がなく、持ち運べて、冷たいまま飲める。茶が「作るもの」から「買うもの」に変わりました。
粉末という別の道
粉末のお茶は、この流れとは少し違う位置にあります。
抹茶は湯に浸して成分を引き出すのではなく、葉を挽いた粉をそのまま溶かします。そもそも淹れる工程がないため、手軽さの理由が他と異なります。
加糖グリーンティーが1930年に真空缶詰で登場し、昭和30〜40年代に広まったのは、ペットボトルよりずっと早い時期です。
濃さを決められるという特徴
ペットボトルは開けた時点で濃さが決まっています。ティーバッグは浸す時間である程度調整できます。
粉末は、使う量で自由に決められます。標準が水150mlに20gなら、10gにすれば半分。この自由度は、他の形式にはないものです。
急須は減ったが茶は残った
急須を持たない家庭は増えました。それでも茶を飲まなくなったわけではありません。
形式が変わり、選択肢が増えた。そう捉えるほうが実態に近いでしょう。
抹茶の位置
抹茶は、茶道という文脈を離れて広がりました。
ラテとして、菓子の材料として、あるいは加糖の粉末として。飲み方が増えたことで、茶葉から淹れる習慣とは別の経路で残っています。
