海外に出た抹茶と、ずれていく意味
matcha という言葉は、海外でもそのまま通じるようになりました。ただし指しているものは、日本国内と少しずつ違ってきています。
甘いことが前提になっている
海外のカフェで matcha latte を頼むと、砂糖が入っているのが標準です。無糖を求めるなら、別途伝える必要があります。
日本では抹茶といえば無糖が基本で、加糖のものは「グリーンティー」「抹茶ミルク」などと呼び分けられます。この区別が、海外では薄くなっています。
品質の幅が広い
matcha として売られているものには、覆下栽培を経ていない粉末緑茶や、緑茶粉末に香料・着色料を加えたものも含まれます。
抹茶の定義が国際的に統一されているわけではないため、表示だけでは判断しにくい状況があります。
日本国内でも「抹茶入り」の表記は量を示さないため、事情は似ています。ただし海外では、原料そのものが違うケースが多くなります。
用途が広がった
飲み物としてだけでなく、アイスクリーム、ケーキ、チョコレート、さらにはスムージーやカクテルの材料としても使われます。
色と風味の両方を持つ素材として、抹茶は扱いやすい部類に入ります。緑色の食品は多くないため、その点でも需要があります。
「日本の茶=抹茶」という理解
海外では、日本茶といえば抹茶を思い浮かべる人が多くなります。
実際には日本国内での消費は煎茶が中心です。茶道のイメージが強く伝わった結果、実態とは違う理解が広まりました。
言葉は輸出されると変わる
これは抹茶に限った話ではありません。
日本の「グリーンティー」も、英語の green tea から意味をずらして生まれた言葉です。輸入するときにも、輸出するときにも、同じことが起きています。
説明を添えるという対応
日本から持ち出す場合、「sweetened matcha」「matcha with sugar」と書くほうが正確に伝わります。
green tea とだけ書くと、無糖の緑茶と受け取られる可能性があります。飲み方の比率を添えておけば、道具のない環境でも使ってもらえます。
言葉が指すものがぶれる以上、補う説明のほうが確実です。
