夏の風物としてのグリーンティー
冷たく甘い飲み物として広まった経緯から、グリーンティーは夏と結びついてきました。
冷蔵庫が変えたもの
普及したのは昭和30〜40年代。家庭用冷蔵庫が広まった時期と重なります。
氷が手軽に使えるようになり、冷たい飲み物の需要が伸びました。それまで夏の飲み物といえば、井戸で冷やした麦茶や、氷屋から買う氷でした。
家で氷が作れることは、当時としては大きな変化でした。
甘味処の夏
京都や大阪の甘味処では、夏になると氷の旗が出ます。
宇治金時、抹茶かき氷、抹茶あんみつ。抹茶を使った冷たい甘味と並んで、飲み物としてのグリーンティーが置かれました。
濃いめに作ったグリーンティーは、そのままかき氷のシロップになります。すでに甘みが入っているため、砂糖を足す必要がありません。
家庭での使われ方
暑い時期に、水と氷で作って冷蔵庫に入れておく。来客にも出せる。この手軽さが受け入れられました。
粉末なので、必要なぶんだけ作れます。大量に作り置きして余らせることもありません。
夏の贈答にも
お中元の時期には、涼を感じさせる品が選ばれます。ゼリーや水羊羹と並んで、冷たくして飲めるものが入ることがあります。
粉末は軽く、常温で送れて、日持ちもする。贈答品としての条件を満たしています。
冬の飲み方も
もっとも、いまは季節を選ばなくなりました。
温かい牛乳で作れば抹茶ラテになります。温かいほうが甘みを強く感じるので、粉は少なめでも満足しやすくなります。
茶園の夏
飲む側の夏とは別に、作る側の夏があります。
碾茶の原料となる新芽は、4月から5月に摘まれます。この時期、宇治では覆いによって茶樹の姿が見えなくなります。
夏に飲むグリーンティーの原料は、その年の春に育ったものです。季節がひとつずれているわけです。
