テアニンが抹茶と玉露に多い理由
茶を飲んだときに感じる「うま味」や「甘み」は、テアニンというアミノ酸によるものです。茶葉の乾物重量のうち0.5〜3%を占めます。
根で作られ、葉へ運ばれる
テアニンは茶の木の根で作られ、葉へ移動します。ここまでは、どの茶葉でも同じです。
差が出るのはその先です。葉が日光を浴びると、テアニンは渋みのあるカテキンへと変化します。
つまりテアニンとカテキンは無関係な成分ではなく、日光を挟んでつながっています。日に当たった葉は渋くなり、遮られた葉はうま味を残す。茶の味の設計は、この一点をどう扱うかにかかっています。
だから覆いをかける
覆下栽培は、この性質を逆手に取った方法です。新芽の時期に茶園へ覆いをかけ、日光を遮って育てます。テアニンがカテキンに変わる前に摘み取ることで、うま味の多い茶葉になります。
碾茶(抹茶の原料)と玉露は、いずれもこの覆下栽培で作られます。抹茶や玉露が煎茶よりうま味を強く感じるのは、品種ではなく育て方の違いによるところが大きいのです。
価格との関係
農研機構の調査では、価格の高い抹茶ほどテアニン含量が高く、カテキンの内訳(EGCG/EGC比)にも傾向が見られると報告されています。うま味の量が、抹茶の品質を測る指標のひとつになっているということです。
高い抹茶が「まろやかで甘みがある」と表現されるのは、感覚的な話だけではなく、成分の裏づけがあります。
抹茶は葉を丸ごと口にする
煎茶は茶葉を湯に浸し、溶け出した成分だけを飲みます。テアニンは水に溶けやすいため湯に出てきますが、葉に残る分もあります。
抹茶は葉を石臼で挽いた粉をそのまま溶かすので、葉に含まれるテアニンをそのまま口にします。同じ量の茶葉から、より多くを受け取る飲み方といえます。
加糖タイプでの感じ方
加糖グリーンティーは抹茶に糖類を合わせたもので、糖の甘みが前に出ます。そのぶん抹茶そのものより、テアニン由来のうま味は分かりにくくなります。
うま味を確かめたいなら、粉を多め(水150mlに20gより濃いめ)にして飲むと、甘みの奥にある茶の味が見えてきます。逆に牛乳で割ると乳の甘みと混ざるため、うま味は感じにくくなる代わりに全体がまろやかになります。
