粉末に保存料が入っていない理由
粉末飲料に保存料が使われることは、あまり多くありません。必要がないためです。
理由は水分活性という考え方で説明できます。
微生物が使える水と、使えない水
食品に含まれる水は、大きく2つに分けられます。自由水と結合水です。
微生物が増殖に利用できるのは自由水のほうだけです。食品中の自由水がどれだけあるかを示す指標が水分活性(Aw)で、この値が低いほど微生物は増えにくくなります。
乾燥食品のAwはおおむね0.65以下とされます。この領域では微生物が増殖できないため、保存料を加える意味がありません。
干物も塩漬けも砂糖漬けも同じ原理
乾燥、塩蔵、糖蔵——保存方法として古くから使われてきたこれらは、いずれも食品から自由水を奪うという点で共通しています。
塩や砂糖は水と結びつくため、加えることで自由水が減ります。砂糖漬けの果物が日持ちするのはこの仕組みです。
加糖グリーンティーは、粉末であることに加えて糖が多く含まれます。二重に水分活性が低い構成になっているわけです。
だから怖いのは湿気
裏を返せば、水分が入ると条件が変わります。
濡れたスプーンを袋に入れる、冷蔵庫から出してすぐ開けて結露させる、湿気の多い場所に置く。こうした扱いは水分活性を上げる方向に働きます。
粉が固まってきたら、湿気を吸ったサインです。
原材料欄で確認する
保存料が使われていれば、原材料表示に用途名とともに記載されます。「保存料(ソルビン酸K)」のような書き方です。
粉末グリーンティーの原材料でよく見かけるのは、保存料ではなく香料・着色料・乳化剤・酸化防止剤のほうです。それぞれ目的が違い、酸化防止剤は微生物ではなく空気による品質変化を抑えるものです。
