テアニンと渋みは表裏の関係にある
テアニンは茶に多く含まれるアミノ酸で、乾物重量のうち0.5〜3%を占めます。茶のうま味と、かすかな甘みを担う成分です。
味の設計上の位置づけ
茶の味は、主に3つの成分の釣り合いで決まります。
| 成分 | 寄与する味 | 乾物重量あたり |
|---|---|---|
| カテキン類 | 渋み | 8〜20% |
| カフェイン | 苦み | 2〜4% |
| テアニン | うま味・甘み | 0.5〜3% |
量としては最も少ないのに、味の印象を大きく左右します。うま味が薄いと、渋みと苦みだけが立って平板な味になるためです。
渋みとテアニンは同じ話の裏表
テアニンは茶の木の根で作られ、葉へ運ばれます。ここで重要なのは、葉が日光を浴びるとテアニンが渋みのカテキンへ変化するという点です。
つまりカテキンとテアニンは別々の成分ではなく、日光を挟んでつながっています。日に当てれば渋くなり、遮ればうま味が残る。
茶の栽培は、この一点をどう扱うかの調整といえます。
覆いをかける意味
覆下栽培では、新芽の時期に茶園へ覆いをかけて日光を遮ります。テアニンが変化する前に摘み取ることで、うま味の多い茶葉になります。
碾茶(抹茶の原料)と玉露はこの方法で育てられます。抹茶や玉露が煎茶よりうま味を強く感じるのは、品種の違いというより育て方の違いです。
品質の指標にもなる
農研機構の報告では、価格の高い抹茶ほどテアニン含量が高いとされています。あわせてEGCGとEGCの比にも傾向が見られ、これらが抹茶の品質を支える科学的な指標として使えるとされています。
「まろやかで甘みがある」という感覚的な評価に、成分の裏づけがあるということです。
加糖タイプでは見えにくくなる
加糖グリーンティーは糖の甘みが前面に出るため、テアニン由来のうま味は分かりにくくなります。
確かめたいなら、粉をやや多めにして濃く作ると、甘さの奥にある茶の味が見えてきます。牛乳で割ると乳の甘みと混ざるので、うま味は感じにくくなる代わりに全体がまろやかになります。
