石臼は1時間に40gしか挽けない
碾茶を粉にする工程は、驚くほど遅い。
1時間で40グラム。300gのパック1つ分を挽くのに、7時間半かかる計算です。
速く回せない理由
摩擦熱です。
速度を上げると熱が出る。熱が出ると香りが飛び、緑も褪せる。日光を遮って何週間もかけて育てた葉の持ち味が、最後の工程で消えてしまいます。
だから石臼はゆっくり回します。効率は悪い。でもこれ以外に、熱をかけずにここまで細かくする方法がありません。
どれくらい細かいのか
挽き上がった抹茶の粒は10ミクロン前後。上質なものは1〜5ミクロンまで届きます。
| 粒の大きさ | |
|---|---|
| 小麦粉 | 30〜60ミクロン |
| 一般的な粉末茶 | 20〜50ミクロン |
| 上質な抹茶 | 1〜5ミクロン |
小麦粉より一桁細かい。指でこすると、粉というより絹に近い感触があります。
細かさがそのまま味になる
抹茶は水に溶けません。葉の粒が液体に散らばっているだけです。
つまり粒の大きさが、そのまま舌ざわりになる。粗ければざらつき、細かければ滑らかに感じます。
細かいほど水にもなじみ、ダマになりにくい。まろやかさやコクが増し、渋みや苦みは引っ込みます。同じ茶葉でも、挽き方が違えば別の飲み物のようになります。
機械で挽く方法もある
粉砕機を使えば、はるかに速く大量に処理できます。
引き換えに熱がかかり、粒度も石臼ほどは細かくなりません。
料理や製菓に混ぜ込むなら、この差はほとんど問題になりません。そのまま飲むと、はっきり出ます。
