やぶきたが碾茶に向かない理由
日本でもっとも広く栽培されている茶の品種は「やぶきた」です。ところがこの品種、碾茶にはあまり向きません。
やぶきたの得意分野
やぶきたはもともと静岡で生まれた品種で、煎茶用として優れた性質を持っています。
碾茶に向かないとされるのは、葉の色が黄色みを帯びていて、覆いをかけたときの「染まり」が良くないためです。覆下栽培では葉が濃い緑になることが求められるので、この点が不利になります。
宇治品種という系統
抹茶や玉露には、宇治を中心に在来種から選抜されてきた品種群が使われます。覆いをかける栽培に向くよう選ばれてきたものです。
さみどり 宇治の手摘み碾茶でもっとも多く栽培されている品種です。摘採に適した期間が長く、収量も多い。水分が多く軸がしっかりしていて摘みやすいという、作り手側の利点もあります。味は深く豊かで、上品でくせのない穏やかなうまみが特徴とされます。
あさひ 新芽は鮮やかな緑色で、薄く大きく育ちます。碾茶として特に優秀とされ、品評会に出す茶に多く使われます。
ごこう 覆いをかけたときの染まりが良く、覆い香と呼ばれる独特の香りが付きやすい品種です。玉露にも使われます。
ほかに、うじひかり、てんみょう、うじみどりなどがあります。
品種名は表示されないことが多い
ワインのぶどう品種と違い、抹茶製品に品種名が書かれていることはあまりありません。
複数の品種を組み合わせて味を整えることが多いためです。単一品種で仕上げた製品もありますが、その場合は特徴として明記されることが多くなります。
加糖グリーンティーではさらに見えにくい
加糖タイプは抹茶に糖類を合わせたものなので、品種まで表示されることはほぼありません。
産地の記載があれば手がかりにはなります。京都・宇治は碾茶の産地として知られ、そこで使われるのは覆下栽培に向いた品種ということになります。
書かれていないから問題があるという話ではなく、書かれていれば判断材料が一つ増える、という程度のものです。
