抹茶の価格差はどこから来るのか
同じ「抹茶」でも、価格は大きく開きます。理由は工程のあちこちに分散しています。
栽培の手間
覆下栽培では、新芽の時期に茶園へ覆いをかけ、摘採まで日照を管理します。数週間にわたる作業で、人手も資材も要ります。
この手間をかけるのは主に一番茶です。二番茶、三番茶にまで同じことをするのは一般的ではありません。
摘み方
手摘みか、機械摘みか。手摘みは芽の状態を選んで摘めますが、当然コストは上がります。
品種によって摘採に適した期間の長さが違い、期間が短い品種ほど作業は集中します。碾茶用としてもっとも多く栽培されている「さみどり」は、この期間が比較的長く、扱いやすい品種とされています。
選別の精度
乾燥後、葉脈と茎を取り除きます。どこまで丁寧に分けるかで、残る葉肉の純度が変わります。
丁寧にやるほど歩留まりは下がります。同じ量の原料から取れる製品が減るので、価格に反映されます。
挽き方
石臼は1時間に40g程度しか挽けません。速く回すと摩擦熱で香りと色が損なわれるためです。
機械粉砕を使えば速く大量に処理できますが、粒度は石臼ほど細かくなりにくい。上質な抹茶の粒子が1〜5ミクロンなのに対し、一般的な粉末茶は20〜50ミクロンとされます。
数値にも表れる
農研機構の報告では、価格の高い抹茶ほどテアニン含量が高く、EGCGとEGCの比にも傾向が見られるとされています。
テアニンはうま味の成分で、日光を遮ることで残ります。つまり覆下栽培の手間が、そのまま成分値に出ているということです。
「高い抹茶はまろやか」という感覚的な評価には、栽培条件の裏づけがあります。
加糖タイプでの見え方
加糖グリーンティーの価格差は、抹茶の質だけでなく配合比率にも左右されます。
糖類の比率が高ければ原価は下がります。原材料表示の並び順が、この点を推し量る手がかりになります。
