粉にする茶と浸出する茶では口に入るものが違う

粉にする茶と浸出する茶では口に入るものが違う

煎茶と抹茶の差は、味の好みの話ではありません。摂れるものが物理的に違います。

浸出は「溶け出したものだけ」

煎茶や紅茶は、茶葉を湯に浸して成分を引き出します。飲むのは液体で、葉は捨てます。

このとき湯に出てくるのは、水に溶ける成分だけです。カテキン、カフェイン、テアニン、ビタミンCなどは溶け出しますが、すべてが出るわけではありません。水に溶けにくい成分は葉に残り、そのまま捨てられます。

粉は「葉そのもの」

抹茶は葉を石臼で挽いた粉を、水や湯に溶かして飲みます。

正確には溶けていません。粒子が液体に散らばった状態です。だから濁って見え、置いておけば底に沈みます。

葉を食べているのに近いため、水に溶けない成分も含めて口に入ります。

数値に表れる

日本食品標準成分表の抹茶(茶)100gあたりの値を見ると、この違いが分かります。

項目抹茶100gあたり
食物繊維38.5 g
ビタミンK2,900 μg
葉酸1,200 μg
カリウム2,700 mg

食物繊維やビタミンKは水に溶けにくい成分です。浸出して飲むお茶では、これらはほとんど液体に出てきません。

抹茶のカリウムが煎茶のおよそ2倍とされるのも、栽培条件に加えて、この飲み方の差が関係しています。

カフェインの出方も違う

浸出する茶は、湯温と時間でカフェインの出方が変わります。玉露を低めの湯で淹れるのは、この性質を利用しています。

抹茶は粉ごと飲むので、湯温では変わりません。使った量でほぼ決まります。調整の効き方がまったく違うわけです。

だから淹れ方の常識が通じない

「熱い湯だと渋くなる」というのは、浸出する茶の話です。抹茶では成分が選り分けられないので、この理屈は当てはまりません。

湯温が変えるのは、溶けやすさ、香りの立ち方、甘みの感じ方です。成分の構成そのものは変わりません。

加糖グリーンティーも同じ

抹茶ベースであれば、粉ごと飲む点は同じです。糖類が加わるぶん抹茶の比率は下がりますが、飲み方の性質は変わりません。

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