碾茶ができるまでの5つの工程
抹茶は、碾茶(てんちゃ)という茶葉を挽いた粉です。碾茶は煎茶とは別の作り方をします。
分岐点は3つあります。日光を遮ること、揉まないこと、葉脈と茎を取り除くことです。
1. 覆いをかける
新芽が出る時期に、茶園へ覆いをかけて日光を遮ります。覆下栽培と呼ばれる方法です。
うま味成分のテアニンは、葉が日光を浴びると渋みのカテキンへ変化します。覆うことでこの変化を抑え、うま味を残した葉に育てます。
同時に、光が少ない環境では植物がクロロフィルを増やすため、葉の緑は濃くなります。抹茶の色の濃さは、この段階で決まっています。
京都・宇治では4月から5月にかけて、覆いで茶樹の姿が見えなくなります。
2. 摘んで、すぐ蒸す
摘採した葉は時間が経つと酸化が進むため、蒸して酵素の働きを止めます。緑茶が緑のままなのは、この工程があるからです。
紅茶やウーロン茶は、逆にこの酸化を進めて作られます。原料は同じ茶の木の葉でも、蒸すかどうかで別の飲み物になります。
3. 揉まずに乾かす
ここが煎茶との大きな違いです。
煎茶は蒸したあと、揉みながら乾燥させます。細長い形になっているのは揉んだためで、揉むことで成分が湯に出やすくなります。
碾茶は揉みません。広げたまま乾燥させるので、葉は平たいまま残ります。あとで粉にする前提なので、湯に出やすくする必要がないためです。
4. 葉脈と茎を取り除く
乾いた葉から、葉脈と茎を除きます。これらは硬く、残っていると挽いたときに雑味やざらつきの元になります。
この選別を経て残った葉の部分が、碾茶です。
5. 石臼で挽く
碾茶を石臼にかけ、粉にします。ここで初めて抹茶になります。
石臼は速く回せません。摩擦で熱が出ると、香りが飛び、色も変わってしまうためです。ゆっくり挽くしかなく、1時間に挽ける量は40g程度とされています。
加糖グリーンティーはその先
ここまでが抹茶です。加糖グリーンティーは、この抹茶に糖類を合わせたものになります。
栽培から粉になるまでに、これだけの工程が積み重なっています。製品の価格差は、多くの場合この過程のどこかに理由があります。
