着色料が使われるのはなぜか
抹茶の鮮やかな緑は、クロロフィル(葉緑素)によるものです。この色素は光・熱・空気に弱く、時間とともに分解して黄色や褐色へ近づきます。
粉末は葉のままより表面積が大きいぶん、変化が早く進みます。
製造側の対策
原料の段階で色を作る 覆下栽培で日光を遮ると、植物は限られた光を効率よく使おうとしてクロロフィルを増やします。覆いをかけて育てた葉が濃い緑になるのはこのためです。色は加工ではなく栽培の段階で決まっています。
熱をかけない 石臼をゆっくり回すのは、摩擦熱で色と香りが損なわれるのを避けるためです。1時間に40g程度しか挽けないのは、この制約によります。
光と酸素を遮る 遮光性のある包装、脱酸素剤、窒素充填。いずれも色を保つための手段です。抹茶が透明な袋で売られていないのは、光を通すと色が落ちるからです。
酸化防止剤を加える ビタミンC(アスコルビン酸)などが使われます。自らが先に酸化することで、ほかの成分の変化を遅らせます。
それでも足りない場合
流通の条件が幅広い製品では、上記の対策だけでは色を保ちきれないことがあります。ここで着色料が使われます。
クチナシ色素などが代表的です。原材料表示には「着色料(クチナシ)」のように用途名と物質名が併記されます。
色の濃さで質は判断できない
着色料を使えば、抹茶の比率が低くても濃い緑にできます。
つまり見た目の緑の濃さと、抹茶がどれだけ入っているかは一致しません。色で判断しようとすると、かえって見誤ります。
判断材料になるのは原材料表示です。並び順で抹茶と糖類のどちらが多いかが分かり、着色料の記載があるかどうかも確認できます。
色が変わることは自然
着色料を使っていない製品は、時間とともに色がくすんできます。これは劣化の兆候であると同時に、素材そのものの色である証拠でもあります。
買ったときの色を覚えておくと、変化に気づきやすくなります。
